黒いハットを被ってた志村以下、ステージに登場したフジファブリックが最初に鳴らしたのは“虹”! この名曲でEARTH STAGEは一気に彼らの世界観のなかに呑み込まれていく。続いて“ダンス2000”“TAIFU”とダンサブルなナンバーを繰り出し、さらにギターが主張する新曲も披露。山内の赤いストラトが唸りを上げ、志村が叫ぶ。「今日は飛ばしていきます!」。その言葉どおり、ギアは上がりっぱなし、超アグレッシヴなライヴである。楽曲によって曲調も歌詞の表現もいろいろなムードをもつバンドで、ノスタルジックで叙情的なフジファブリックも好きだが、“Surfer King”でほとんど意味のない歌詞をがなり立てている彼らも大好きである僕としては、この展開は嬉しい。「ここでの勢いをもらって、レコーディングしてきます」という志村。来年は「新曲もいっぱい作っていっぱいライヴもやる」と言っていたが、このぶんだとこれまで以上に勢いのあるフジファブリックが来年は見られそう。名作『TEENAGER』に続く展開にも期待がもてる。ラストの“銀河”で最大のピークポイントを迎えたフロアも、きっと同じように感じていただろう。(小川智宏)